フンコロガシの詩

ぬかみそが腐る

 その昔は歌がヘタなことを、こう言ったもんだ。だがこんな言葉を知ってるのも、もうトシ食った連中だけだろう。ぬかみそ漬けるにしても今は冷蔵庫で保存するから、毎日手入れしなくても腐らないしな。
 しかーし! 実家のぬかみそは良く腐る。理由は私が漬けておいたのを親父がすぐに掘り起こしてムチャクチャに刻み、グチャグチャにしたぬかみその上に放かすからである。いくら冷蔵庫の中に入れてあっても、まだ塩が効いていないナマの切った野菜が空気に触れれば、ネチャネチャした不気味な白いモノが周りにへばりついて悪臭を放つのは目に見えている。茄子の漬物なんて、色よく仕上がるようにミョウバンをまぶしつけてから漬けてるんだがな。次の日に確認すると、茶色じみた灰色に変色して、ぬかみその上に鎮座している。
 腐ったぬか漬けを食われて腹を壊すとマズイので、見つけると捨て新たに漬けるのだが、それも次の日まで持つかどうか……。手間をかけてもわざわざ捨てるために漬けるようなもんで、何とも虚しい。
 食べ物を捨てるのがキライなタチなので、冷蔵庫のぬかみそを入れてある段にはA4の紙を横に2枚繋いで「ぬかみそが腐るので、絶対に触らない!」と大きく書いてノレンのようにして貼ってあるのだが、もちろん一切の効果なし!
 当の本人はそんなことお構いなしで、今日も大昔の歌謡曲らしきものを歌っている。もしかして、歌声の異常波動でぬかみそが腐ってるんじゃないだろうな。
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by kuroshiba2007T | 2010-08-30 01:54 | ムカッパラ | Comments(0)
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