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フンコロガシの詩

セクハラ事件

 温室のように蒸し暑い外から帰った途端、電話が鳴る。汗だくで受話器を取ると、デイサービスからだった。まぁ、たいがいがこの場合、いい話ではないわな。
「お嬢様(コレ、私のことである。笑っちまうぜ!)のお耳に入れるのは、なるたけ止めようと思っていたんですけど……」と、先方は何やら言い淀む様子。
「実はお父様が、送迎バスの中で隣に座った女性の胸や太腿を触るので困るという声がありまして……」と来た。
 思わずカッとし、またもや汗が吹き出すが、「やるやんけ」と思ったのも事実。「うはははは、やりますなぁ」といっそ豪快に笑い飛ばしたい気持ちを抑え、脂汗と冷汗をミックスさせながら「もう、本当に申し訳ございません」と何度も平身低頭で謝りまくる。
 以前、親父が勝手に“退部届け”を出したお勉強&運動系がメインのデイサービスは、どうせ行っても寝てるだけだからということでケアマネと相談の上で結局辞めてしまい、今は何くれとなくちやほやしてくれるデイサービスだけに行っているのだが、どうやらもう一カ所のほうへ行かなくなってからこういう症状が出ているらしい。やっぱり人間は、何らかの軽いストレスがかかってないとダメな動物なんだな。所詮、集団で暮らすサルと同じ。一匹狼では生きることが出来ないのであろう。
「スタッフの皆様がお優しいので、父がつけあがるのではございませんか? もっと手厳しくおっしゃっていただいて構いませんのに」とやんわり返すが、先方は「いえいえ、そんなことは」という調子で、「コチラでも対処いたしますので、できましたらお嬢様のほうからも“触らないように”とおっしゃっていただけないでしょうか?」とのご所望だ。
 しかしその由ズバリ言ってみるも、予想通りに何処吹く風という親父である。とりあえず、「送迎バスで、おバアさんに触らないこと!」という貼紙をいつものように、何カ所かに貼りまくる。
 だが今回の場合、これだけでは済まないと思い、いろいろ策を巡らす。やはり一番の問題は、親父が何の根拠もなく自分を“イケメン”と信じて疑わないことであろう。そこで全身が映るサイズの鏡をネットで安く購入し、玄関に設置した。リアルな自分の姿を目にすれば、少しは意識が変わるのではないかという希望を込めての処置だが、果たして功を奏することは出来るんだろうか?
# by kuroshiba2007T | 2009-08-15 01:09 | ムカッパラ | Comments(0)

毛生え薬

「またかよ……」
 実家で新しいヘアトニックを発見し、思わずひとりごちた私である。効能書きを見てみれば、育毛を促すタイプだ。もちろん別の育毛剤は、まだ残っている。つい先日まで、フリーダイヤルで購入したと思しき、テレビで激しくスポットを打ってる女性用育毛剤が何本もあったしな。
 ハッキリ言って、親父の髪の毛は「無きに等しい」。しかし脳内には、ハゲとは無縁だった若き日々の映像がイメージングされているのであろう。何しろ、そこいら辺に私も知らない時代の大昔の自分の写真がいっぱい置いてあるし、デイサービスに行くときのバッグの中にも、お気に入りらしい60年ほど前の写真がいつの間にか忍ばせてある。コレって、いわゆるイメトレ? 何とも理解し難いDEVO化現象である。
# by kuroshiba2007T | 2009-08-11 00:46 | ムカッパラ | Comments(0)

布団八つ裂き

 雨が降り続くこの季節になると、2年前のコトを思い出す。その頃はまだ親父がリハパンを使用していなかったので、尿失禁が続くと1日中、洗濯に追われた。
 ある日、敷布団までグッショリ濡れていたのでクリーニングに出そうと近くの店へ出向いた。それまでちょっとぐらいなら、部分洗いをかけて乾かしていたのだが、それじゃ追っ付かないんでな。
 だが、店の答えは「真綿はクリーニングできません。化学繊維なら大丈夫なんですが」とのこと。チッ、じゃあ捨てちまえってんだな。どうせ、30年以上前のブツだ。表面の布もそこかしこが裂けている。燃えるゴミで出そうと思いハサミで細かく切っていたのだが、そのうち指が疲れ切ってきた。腹立ちまぎれにエーイ!とばかり両手で布団を裂いてみたら、これが思いの外、よく裂ける。ぐぉぉぉぉ〜と気合いを入れると短時間で八つ裂きになるのも、快感だ。他の布団も2枚ばかり同じ方法でやってみたが、比較的新しいモノはやはり布地や綿の劣化が少ないせいか、破きづらかったな。
 皆さ〜ん、絹の真綿の布団はクリーニング出来ませんよ。よ〜く考えて使ってくださいな。っつー前に1回でも失禁のあったDEVO化老人には、早いとこ防水シーツの使用をオススメします。
# by kuroshiba2007T | 2009-06-01 16:10 | 生活の知恵 | Comments(0)

刑事告訴

 エビ養殖投資詐欺会長が、組織犯罪処罰法違反で懲役14年の判決を言い渡された。人様から巻き上げた金を実家の墓の下に隠したりして、とんでもねぇヤローだ。この判決は当然だよな、ザマーミロってんだ。
 実は先日、例の詐欺投資会社を刑事告訴に踏み切った。訴えるにあたって、某所へ手を回してちょっと調べてみたところ、出るわ、出るわ、契約金返還訴訟、損害賠償請求訴訟などが東京地裁だけで28件も! それらの訴状を読んでみたところ、年老いた親がウン千万をつぎ込んでしまい、気づいた子供(もちろん中年)が慌てて訴えるというパターンがほとんど。どちらさんも同じですなあ……などと呑気に感心している場合じゃないよな。表に出ているだけでもコレだから、被害総額は一体いくらになるんだろ? あ〜、ホントにムカつくぜ!
 告訴状は出資法違反に加えて、組織犯罪処罰法を旨とした。実際のところ、警察にアゲられたからって金が戻ってくるのかどうか、はなはだ心もとない。だが、せめてもの懲罰として悪人どもをブタ箱にブチ込んでやろう、という心意気で臨んだ。さて、どうなることやら? 結果をごろうじろ。←って、相変わらず年寄り臭い……。
# by kuroshiba2007T | 2009-05-30 02:20 | | Comments(0)

とらぬ狸の皮算用 Part2

 以前にも書いたような気がするが、実家はターミナル駅から徒歩5分、重要文化財のフランク・ロイド・ライトの建築物に隣接している。重文建築では連日のようにイベントやパーティが行われているらしく、裏口にはル・コルドン・ブルーのケータリング車が停まり、観光客がそぞろ歩く姿もよく見かける。ちなみに現在、化粧品のCMで流れている松田聖子と中島みゆきのかなりコワい花嫁姿を撮影した場所もココである。
 そんなところにある、実家と並んで建つツタの絡まりまくった廃屋。叔父と祖母が亡くなって以来、ほぼ20年放ったらかしのままだ。だが静かな住宅街だったこの界隈も近頃ギャラリーやダイニング・バーなどが出来つつあるので、何らかのカタチで賃貸に出すことは出来ないか?との考えがもやもやと沸き上がってきた。少しでも家賃が入れば生活向上するし……という魂胆だ。
 そんな折、新聞に折込みで入っている「○○そっくりさん」モデルハウス募集のチラシを見つけ、早速電話してみた。大手不動産会社のリフォーム部門であるからして、モデルハウスなら施工費は向う持ちかも、ラッキー!ってなもんである。
 所在地を告げると、担当者は乗り気のようで早速私の家にやってきた。説明を聞いてみると、施工費はいくらかの補助はあるものの、すべてコチラ持ちだった。そりゃそうだよな、そんなウマい話、世の中にありませんって。特典は施行後に一定期間、家賃を持ってくれるということ。サイトにはモデルハウスについて見学会のインフォメーションはあるものの、応募規定については何も書いてないので、そんなの分からなかったぜ。
 しかしな、ざっと見積もって施工費は1,000万。そんな金、ねーよ! その場で即断ったのだが、帰った数分後に担当者から畳み掛けるように「無料ですので、見積もりだけでも」と電話が。ロケーションのみだが、好条件だからな。まぁ、興味もあることだったので、1週間後に土台や屋根のイカレ具合などを本格的に調べてもらった。モデルハウスにも半ば拉致状態で連れて行かれたが、ハッキリ言って1,000万でコレかよ!というものだった。
 改めて断りを入れたが、何かいい方法はあるんだろうか? どっかにヤル気のある若手建築家はいないかな……甘いっ! ということで、今回は私のダメさ加減全開エピソードでした。 
# by kuroshiba2007T | 2009-05-01 00:52 | | Comments(4)