フンコロガシの詩

アイドル歌手志望

 もう半年ほど前の話なのだが、親父がテレビの画面に向かって「ナイッ!」とツッコミを入れていることがよくあった。
 かなりマジなので一体何なんだろ?と思い画面を見てみれば、KAT-TUN亀梨が出演している午後の紅茶のCM。「無糖なのでオニギリにもよく合う」というキャンペーンで、亀梨が「コレってアリ!」とか何とか言うヤツである。それにいちいち反応して叫んでいたワケだ。
 親父はテレビの歌番組が好きである。私は自宅ではまず見ないが、実家では介護をしながら横目で見ることが多く社会勉強させてもらっております。といっても出演者の顔ぶれはだいたい同じで、目下お気に入りの東京女子流は見たことないぜ、残念!
 ちなみに親父は歌番組を見ながら、張り合うように大声で昔の歌謡曲を歌詞なしのメロディだけで歌う。コチラはその横で洗濯物たたんだり調理したりと家事に追われてるのだが、テレビの大音響+親父の歌声がうるさくってたまらん。もう耳栓買ってこようかと思うくらいだ。
 自分が歌っていないときは、親父は気になる出演者を食い入るように見る。こないだも、Hey Say山田涼介やN.Y.C.中山優馬のソロ曲タイムに身を乗り出して見てたしな。
 そうなのだ、冒頭の亀ネタもしかり、どうやら親父は男性アイドルに反応しているようなのである。
 人さまから「昔のご職業は?」と聞かれると、教師だったクセに「オペラ歌手!」と吹かす親父だが、本当になりたかった職業は実はアイドル歌手じゃないかと思われるフシがある。いつも歌ってるのは歌謡曲ばかりだし。
 これまた古過ぎる話でご存知の方もほとんどおられないだろうが、田谷力三というテノール歌手がその昔よくテレビに出ていた。親父が師事していた原信子とともに浅草オペラで活躍していた歌手で、晩年も『夕やけニャンニャン』なんかで審査員をしていたハズ。
 その田谷力三がテレビに出て歌っていると親父は「これはオペラの唱法でなく、オペレッタ風で品がない」とか何とか言って、さんざののしっていたのだが、想像するだに自分もああいうふうになりたくてやっかんでたんじゃなかろうか。聞くところによると、田谷力三は少年時代に三越少年音楽隊に入っており今でいうアイドル歌手的な扱いもされていたようだし、東八郎や萩本欽一なんかも弟子だったらしい。
 しかしな、今さら親父がアイドル歌手志望だったと気づかされるのって、どうなのよ?
 
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by kuroshiba2007T | 2013-02-14 22:39 | ムカッパラ | Comments(0)
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